コーヒーの生産処理(2019Ver.)

生産処理とは

コーヒーの生豆(なままめ)は、アカネ科の植物「コーヒーノキ」の果実(通称コーヒーチェリー)から取り出した種子を乾燥させたものです。 この種子を取り出す方法のことを「生産処理」や「プロセシング」といいます。 これから何回かに分けて、コーヒーの生産処理について説明していこうと思います。

その1:収穫

2017年パナマ、コーヒーを収穫するピッカー。

生産処理はまだ始まりません(笑)。 なぜなら、スペシャルティコーヒーと呼ばれるコーヒー、正確には「スペシャルティコーヒーになる可能性が高い生豆」なのですが、それを作るためにはまず実ったコーヒーを収穫することがスタートだからです。 そしてスタートでありながら、最終的な品質を左右する重要な過程であるからでもあります。 品質の高い果実(チェリー)を、高い品質管理と技術によって生産処理することで、高いカップクオリティが得られるコーヒーになる可能性が高まる、コーヒーの生産処理において重要なのはこの考え方です。

では、品質の高い果実(チェリー)とはどういうことでしょうか。 これは、たいていの果物がそうであるように、「完熟したもの」です。 コーヒーは果実を食するものではありませんが、果実の熟度や糖度はのちに生豆となる種子にも影響していると考えられています。

2017年パナマ、咲いたばかりのコーヒーの花。

収穫したチェリーに未熟なものが混じっていると、基本的には生産処理の過程で取り除かれます。 実はこれは、見方によってはとてももったいないことです。 なぜなら熟すまで木に実らせておけば、取り除かれずに済む可能性があるからです。 未熟なチェリーを収穫してしまうのは、完熟したチェリーを減らしてしまうことと同じことです。 結果として作れたはずの品質の高いコーヒーを減らすことになり、農園の収入を減らすことになってしまう、と考えることもできるのです。

ひとくちに収穫といいますが、チェリーが完熟する時期は花の咲くタイミングに左右されるので、すべてのチェリーが同時期に完熟するわけではありません。 同じ木の同じ枝でも、花の咲くタイミングが違えば、完熟するタイミングも違うのが通常です。 ですのでチェリーの収穫は1度で終わらせるのではなく、一般に2〜3か月の間、何回かに分けて行うのが一般的といわれています。

2016年ブラジル、機械でのコーヒー収穫。

収穫のしかたは主に二通りあり、人の手で収穫するか、機械で収穫するかです。 ブラジルなど、農地が比較的平坦で規模の大きいところは機械を使うことが多いですが、ほかの中南米地域やアフリカは小規模な畑も多いですし、基本的には山の斜面で作っていて機械が入らないので、人の手で行うことが一般的です。

農園・畑の規模によっては経営者一家だけでは人手がたりないことから、「ピッカー」と呼ばれる期間労働者を雇って収穫作業をおこなうのが通常です。 品質の高いコーヒー生豆を作ることを重視している生産者は、場合によってはピッカーたちを指導、もしくは完熟チェリーの収穫率にインセンティブを与えることで、ピッカーの収穫するチェリーの品質をコントロールしながら、収穫作業を進めることになります。

この収穫作業は、たいていの農作業がそうであるように、重労働です。 コーヒーの場合斜面で栽培していることも多く、時にはヒモで木に体をくくりつけて、滑り落ちないようにしながら作業することもあるようです。

機械での収穫の場合は、実っているチェリーの状態を見ながら、タイミングを見計らって収穫する場合が多いようです。

その2:収穫後の選別

2017年ケニア、生産処理の前にチェリーを選別している。

こうして集められたチェリーは、いきなり生産処理されるわけではありません。 生産処理に進む前に、本当に熟したものだけが集められているかの確認作業が待っています。 生産処理のラインにその仕組みが組み込まれている場合もありますし、ピッカーたちが自分たちでおこなうこともあります。 品質の高いチェリーでコーヒーを作るためには、私たちの考える以上に人の手による選別作業が挟み込まれています。

主な選別作業としては人の手で未熟なもの(緑色をしています)や熟しすぎたもの(黒い色をしています)を取り除くもの、水を使って比重で選別するもの(熟したものは沈み、熟しすぎたものは浮きます)、また機械で色差選別するもの、様々なやりかたを生産者が選んでおこないます。

繰り返しになりますが、これらの作業は、品質の高いチェリーだけで生豆を作るためにおこなう作業です。 未熟なチェリーからできたコーヒーは、渋みがあり甘みが少ないですし、熟しすぎたチェリーでできたコーヒーは、ものによっては発酵臭といわれる風味が出ることがあります。 これらは最終的なカップクオリティに悪い影響があるので、それを取り除くための非常に重要な作業といえます。

さて、選別作業が終わればいよいよ生産処理です。 主な生産処理として挙げられる、ナチュラル、フリィウォッシュト、パルプトナチュラルについて、1つずつ解説いたしましょう。













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