スペシャルティコーヒーの「品種」って?
その3:ハイブリッド品種の開発

アラビカ種に対して致命的なダメージを与えるサビ病。
サビ病に強い品種を作ることは、コーヒー業界にとっては長年の悲願のひとつでした。

実はサビ病対策品種としてもっとも優秀なのはカネフォラ種のコーヒーです。
カネフォラ種はサビ病に対して耐性があり、まったくサビ病にかかることがありません。
ですが純粋なカネフォラ種ではカップクオリティが高くなく、
アラビカ種と交配させようにも染色体の数が違うので、
自然に交配することはありませんでした。  

ティモール・ハイブリッド(ハイブリッド・デ・ティモール )

2017年ケニアの畑の様子。

自然に交配することはないアラビカ種とカネフォラ種ですが、
なんと東ティモールでその交配種が発見されました。
ティモール・ハイブリッド(ハイブリッド・デ・ティモール)と
名付けられたこの品種は突然変異でアラビカ種と染色体の
数が同じ(4倍体)になったカネフォラ種がアラビカ種と交配
したもので、カネフォラ種と同じようにサビ病に強い耐性をもつ品種です。

ただカップクオリティはそれほど良い品種ではなかったため、
世界各国でティモール・ハイブリッドを用いてサビ病に耐性の
あるカネフォラ種の遺伝子を組み込んだ、通称「ハイブリッド品種」
の開発が進むことになります。
ハイブリッドとは要は雑種のことですが、コーヒーの品種で
ハイブリッドというときには、アラビカ種にカネフォラ種の
遺伝子が入っている品種のことをいいますので、覚えておく
とわかりやすいと思います。
ちなみにハイブリッド品種のコーヒーは、アラビカ種として扱われます。

ハイブリッド品種の作り方は「戻し交配」といわれるもので、
ハイブリッド・デ・ティモールに親である純粋アラビカ種
(主にカトゥーラ種)を掛け合わせて選抜し、カネフォラ種の
遺伝子の割合を薄めた品種を作るという方法です。


有名なハイブリッド品種は

【ブラジル】
・イカトゥ(イカツ)
・カトゥカイ(カツカイ)
・カティグア(カチグア)

【コロンビア】
・ヴァリエダ・コロンビア
・カスティージョ

【ホンジュラス】
・IHCAFE90:Arabica Coffee Varieties | IHCAFE 90
・パライネマ:Arabica Coffee Varieties | Parainema

【コスタリカ】
・コスタリカ95:Arabica Coffee Varieties | Costa Rica 95

【ケニア】
・ルイル11:Arabica Coffee Varieties | Ruiru 11
・バチアン:Arabica Coffee Varieties | Batian

といった品種です。
これらの品種はティモール・ハイブリッドにカトゥーラを戻し交配した
「カティモール:Arabica Coffee Varieties | Catimor 129」や、
ヴィジャサルチを戻し交配した「サルチモール:Arabica Coffee Varieties | T5296」に、
さらにカトゥーラを戻し交配したり、カティモール・サルチモールを
選抜・育種した品種たちで、コロンビアのカスティージョは
ヴァリエダ・コロンビアを数世代にわたって選抜・育種した品種です。
ケニアのハイブリッド品種はもう少し複雑で、SLなどのブルボン系品種を
いくつか掛け合わせたものと、カチモールとの交配種ですね。

こういったハイブリッド品種はアラビカ種のカップクオリティと
カネフォラ種の耐病性・高収量を両立させた品種として、特に標高の
あまり高くない栽培地域で重宝されるようになっていきました。

近年ではブラジルのカトゥカイ、カティグアやホンジュラスの
パライネマのロットがそれぞれカップ・オブ・エクセレンスで
入賞するなど、ハイブリッド品種も他のアラビカ種と同様に
テロワールのいい畑で栽培することでカップクオリティの高い
コーヒーが作れる、ということが明らかになってきています。

また近年の研究では、「ティモール・ハイブリッド832/1」
という品種のサビ病耐性が低いということが明らかになり、
それを用いて作られたハイブリッド品種「カチモールT5157」
を使って作られた品種の信頼性が危ぶまれています。

トップに戻る

オススメ商品

売れ筋商品

猿田彦珈琲×LINE

猿田彦珈琲オンラインショップ
LINE公式アカウント

新商品や最新情報はもちろん、
友だち限定のお得情報をお届けしています。

>