スペシャルティコーヒーの「品種」って?
その2:アラビカ種とカネフォラ種

それでは、スペシャルティコーヒーで主流になっている品種について、今回はお話してみようと思います。

アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)

コーヒーノキにはアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)の2種類があり、どちらもコーヒーとして
流通していますが、スペシャルティコーヒーに関しては弊社が扱うものに関しては今のところ、
すべてアラビカ種のコーヒーです。

アラビカ種とカネフォラ種、この2種類はまったく正反対の特徴を持ちます。
アラビカ種は生産性が低く病虫害に弱いかわりに、高い標高の場所で作ると優れた風味のコーヒーを作れますが、
カネフォラ種は生産性が高く病虫害に強いので低地で栽培できるかわりに、風味についてはいまひとつ、というものです。

ですので産地によっては山の低いところではカネフォラ種、高いところではアラビカ種を栽培している産地もあります。
カネフォラ種のコーヒーを多く生産しているのは、ベトナムやインドネシアですね。
レギュラーコーヒーの利用よりも、インスタントコーヒーなどで利用されるのが、カネフォラ種のコーヒーです。  

ブルボンとティピカ

2017年パナマ、コーヒーの花。

アラビカ種のほとんどのコーヒーは、ブルボンかティピカを祖先に持ちます。
ブルボン参考:Arabica Coffee Varieties | Bourbon
ティピカ参考:Arabica Coffee Varieties | Typica

どちらもエチオピアからイエメンに移植されたコーヒーノキがもとになっていて、
移植された先で変異・固定された品種です。
ブルボン種は現在のフランス領レユニオン島(当時の呼称:ブルボン島)に持ち込まれた
コーヒーノキが変異したものといわれていて、ここからアフリカ、南米、そして中米に広く移植されていきました。
ティピカはイエメンからインドに持ち込まれ、インドネシアに移植されたものがもとになっているといわれています。
参考:Arabica Coffee Varieties | History of Bourbon and Typica

この2品種はどちらも同じ弱点を持っていて、それは「生産性が低く、病虫害に弱い」というものです。
ですのでそれぞれの産地に合わせて変異した品種や、変異種をもとにして改良した、交配種が作られていきます。

ブルボン・ティピカの変異種・改良種は膨大ですが、そのうちの代表的なものが
・カトゥーラ
・カトゥアイ
・ヴィジャサルチ
・ムンドノーヴォ
といったところでしょう。
いまでも中南米で主流になっている品種です。

また通常赤色に熟す果実をコーヒーノキは実らせますが、変異によって黄色く熟す品種もあります。
そういった品種はもとになった品種に「イエロー」もしくは「アマレロ(ポルトガル語で黄色)」をつけて呼ばれます。
代表的なものはイエローブルボンですね。 ブラジルでポピュラーな品種です。

グアテマラでポピュラーな「パカマラ」

ブルボン・ティピカ系の品種の中で近年カップ・オブ・エクセレンスなどでも名をはせているのが、パカマラという品種です。

これはブルボンの変異種で生豆の大きいパカスと、ティピカの変異種で同じく生豆の大きいマラゴジッペを交配して作った品種です。
参考:Arabica Coffee Varieties | Pacamara

エルサルバドルで作られた品種で、もちろんエルサルバドルで広く栽培されていますが、
グァテマラのメキシコ国境付近、ウェウェテナンゴという地域にあるエル・インヘルト農園で
作られたパカマラ種のフレーバーが素晴らしかったために人気になり、その後グアテマラで
栽培する農園が増えた印象があります。

アラビカ原種系品種

イエメン、ベイト・アラルで育つアラビカ原種。

エチオピアやイエメン、スーダンといった、世界中に広まったコーヒーの源流の国では、
今でもブルボン・ティピカ系統に属さない原種に近いコーヒーが栽培されています。
特にエチオピアの場合はこれらをひとくくりにして、「野生原生種」と呼ぶことがあります。
イエメンではティピカやSL28の原種が栽培されているほか、近年の研究によって
イエメン独自の品種群が明らかになり、コーヒー業界に大きな衝撃を与えました。

また、エチオピア在来種や、イエメン、スーダンに移植されたアラビカ種のいくつかは
中米にも持ち込まれていて、それを栽培している農園もあります。

そのなかでもっとも有名なのが「ゲイシャ」ですが、ほかにも「ルメ・スーダン」や
コスタリカの研究所に持ち込まれたエチオピア在来種の「E-○○」「ET-○○」と呼称される
品種があり、近年はブルボン・ティピカ系では出ないフレーバーを求める、先進的な生産者に
よって栽培されていることも増えてきました。

原種系品種には魅力的なフレーバーをもたらすものもありますが、共通してある弱点があります。
原種というだけあって栽培品種に比べると生産性が低いという点です。
ですのでどうしても価格が高くなってしまうことが多く、買い付けるのが難しい品種でもあるのです。

ティピカ・ブルボン系の弱点

アラビカ種のコーヒーを形作ったこの2系統の品種ですが、これらを基にした品種は致命的な弱点を抱えています。
それは「病気に弱い」ということです。
特に「サビ病」といわれる、コーヒーノキの葉にカビの一種が繁殖する病気には弱く、過去には産地丸ごとダメになってしまったところもあります。
サビ病はかかると葉が落ちてしまい、最悪木が枯れてしまう病気で、気温が高くなると発生しやすくなります。
菌なので胞子によって繁殖し、風に乗って木から木へ、農園から農園へ伝染してしまう、非常に怖い病気の一つです。

ティピカ・ブルボンをもとにした後継の栽培品種も、両種と比べれは耐病性や生産性が向上しているものの、サビ病の克服には至っていません。

ですのでコーヒーの品種の歴史の中では「サビ病に強い品種を作る」というのがだんだん重要になっていきました。
長くなってしまったので、対策品種の話は次回にしましょう。

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